« winter wonderland | トップページ | マリンクラフト for クリスマス »

“森の「いろいろ事情がありまして」”

001森を歩いて生き物と出会うと、その相手になった気持ちになったり、あるいはその相手にいろいろと訊いてみたいことがわいてきたりする。
「どうーして、そうなの~?」って。
そんな森歩きの嬉しさ、面白さ、不思議を、どーんとまとめて、さらに科学的な解説も交えて興味深く紹介してくれる本に出会った。

森の「いろいろ事情がありまして」

軽井沢野鳥の森を舞台にエコツーリズムを展開しているピッキオが編集、信濃毎日新聞社から今年の7月に出版された。

春から冬へと季節を追って、野鳥の森に生きるいのちたちを取り上げて、1種類につき2-4ページにまとめてある。その数50にのぼる主人公は野鳥や哺乳類だけでなく、昆虫、植物、キノコ・・・・正直言ってわたしは昆虫にはさほどのシンパシーを感じられないのだけれど、この本を読むと今まで興味の対象外だった生き物たちにも不思議がたくさん詰まっていて、当然のことながらその生き物なりに一生懸命に工夫をこらして生きているノダ、ということがよくわかる。

そういった事実が解明されたのは、ピッキオのスタッフの地道な観察のおかげ。
例えば、アリの巣の前に7時間も張り付いて、アリたちが運んでくるエサのメニューをチェックしたり・・・・フィールドワークとはそういうものだ、と言ってしまえばそれまでだけど、よほど好きじゃなきゃできないこと。
そういう“好き”はたぶん、“不思議”に思うことから始まるのだろう。不思議が解けると、また一歩好きになり、好きになるとますます不思議が増えていくのだろう。

この本の魅力は書かれている内容だけではなく、各ページのレイアウトや装丁によるところも大きい。挿入されている写真はどれもこれも美しく、かつ生態をよく現しているし、イラストもかわいくてカラフル。ところどころに設けられたコラムも興味深い。
とにかく面白く読み進めることができるのだ。さすが優れたインタープリターは、目の前に実物がなくても生き生きといのちの魅力を伝えることができるのだなぁ・・・・感心しきり。
002 004

そして、まとめともいえるエピローグがまた、心を打つ。
野鳥の森の今昔物語とでもいおうか、先人たちの想いは心に響き、ちょっぴり羨ましくもなる。周囲に自然が溢れていることを当たり前と受け止め、その価値を改めて鑑みる人などほとんどいなかった時代に、いち早く軽井沢の森の貴重さに気づき、残そうと情熱を傾けた人たち。
彼らから受け継いだものを、さて、わたしたちはどう伝えていけるのか、が問われている。

この本の困ったところは・・・・軽井沢野鳥の森を無性に歩いてみたくなることデス。

|

« winter wonderland | トップページ | マリンクラフト for クリスマス »

読む」カテゴリの記事

コメント

読みたい!

今度、文教堂でお願いしよう♪

ピッキオいいよねー。私は「鳥のおもしろ私生活」で
「この人たちって何でもできるのねー」と思ったよ。

イノシシやってたときに、クマゼミ(クマ研究者の有志ゼミ)
にも参加してて、その関係でピッキオのクマ班とも
お話する機会があったりして。
(カレリアンベアドッグっていうクマを追う犬の導入を
していて、その犬に惹かれたんだけど。。。)
やっぱりアットホームで面白い人たち、という印象だった。

でもこれ読んだら、私も山に行きたくなるんだろうなー。

投稿: mikachi | 2007年11月29日 (木) 19時23分

mikachiならゼッタイにハマるよ!
さすがにイノシシは取り上げられていなかったけど、生き物好きにはぜひおススメ♪

そうそう、ベアドッグの話題はコラムで載ってました。
軽井沢での取り組みが全国に広がるといいなぁ、と願います。
クマがいなくなってしまわないうちに。

海もいいけど、森歩き(山歩き)も止められないね~。
体がふたつ欲しい・・・・

投稿: (ちぃ) | 2007年11月29日 (木) 21時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/178798/17213758

この記事へのトラックバック一覧です: “森の「いろいろ事情がありまして」”:

« winter wonderland | トップページ | マリンクラフト for クリスマス »