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「星の航海術をもとめて」

どうしてホクレアが日本に来る前に、この本を読まなかったんだろう。Photo
本の存在は知っていたのに。
ホクレアが来る前に、ナイノア(親愛の情を込めて、敬称は略!)本人を目の前にし、彼の話を聞く機会を得る前に読んでいたなら、去年のあの体験はもっと違ったものになっていたに違いない。

「星の航海術を求めて~ホクレア号の33日」(原題は An Ocean in Mind)、出版:青土社、ウィル・クセルク著、加藤晃生訳

邦訳版のサブタイトルにもあるように、本書はナイノアが初めて航海士としてホクレアを導いた、1980年のハワイイ~タヒチ間往復航海の模様が中心となっている。
星と波、風、雲、鳥、色、におい・・・・自分を取り巻く自然現象だけを頼りに船の進むべき方向を決めるウェイファインダー(航海士)は、どのようにして船位を知り、針路を決めるのか・・・・おそらくは航海士自身にも説明がつかない部分が多いに違いないその謎を、できるだけ解き明かそうとするのが本書の目的かと思う。加えて、古代から伝わるその技術をナイノアはいかに自分のものとしていったのか・・・・師であるマウとの交流を織り交ぜながら、プラネタリウムでの学習、ホクレアの歴史などを加えながら、語られる。
著者はハワイ大学の地質学の教授であり、タヒチ往復では伴走船「イシュカ」に乗り組んで航海をともに体験し、詳細にレポートした。

とくに印象深いのは、タヒチからの復路航海中の想いをナイノア自身が語る形で進められる部分。もちろん、ここの文章は航海後にナイノア自身のメモ、彼に対する航海中のインタビュー内容、航海の記録などをまとめて、時制を進行形としたものだ。にもかかわらず、往路でナイノアの様子を客観的に描いてきたそれまでと比べると、より一層臨場感があり、彼自身になって大海原に浮かぶホクレアの上で、波や風や音や光を感じているような気にさえなってくる。
そして、著者も書いているように、航海中の航海士が全クルーに対して、航海の成否に対して負う責任の重さ、その重圧から生じる孤独感がひしひしと伝わってくる。類まれなる技術を身につけた、優れた能力の持ち主である英雄は、でも、神でもなければ超能力者なんかでもない、やはり一人の人間に過ぎないのだ・・・・ということを改めて教えてくれる。
そしてこの時のナイノアは27歳になったばかりなのだ!


この本を読んで、わたしはますますナイノアへの敬愛の念を強くした。
わたしがもし男に生まれていたならば、きっと船に乗ることを目指したに違いない。やっぱり船にはロマンがある。ホクレアと(正確には伴走船イシュカと)ホノルル沿岸警備隊とのやりとりや、ホクレアとイシュカのクルーのプロフェッショナルな活躍を読むだけでも、海の、船の専門家になることへの十分な憧れを生む。

そしてやっぱり誰よりも・・・・ナイノアはわが心のヒーローだ。

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